こんにちは、メァ(@mea_magika_blog)です!
政府がまたまた、とんでもないことを言い出しましたね…
後押しされたところで、出来ると思ってるの?ということで…
今回は、私が過去に勤めていた職場に『子連れ出社』をして、どうだったか。
一部想像の部分もありますが、書いていこうと思います。
パターン1:某ディーラーのフロント
まずは、最初に勤めた会社で想像してみます。
今から約10年前に入社したのは、某ディーラーのフロントでした。
『フロント』というと、よく受付嬢のようなものを想像されるのですが、全くもって違います。
私がやっていた業務は、かなり多岐に渡っていました。
- 電話応対
- お茶出しなどの来客応対
- お客様への整備依頼などの問診
- 整備士への指示書作成
- 整備費用の見積もり業務
- 整備費用の精算・会計
- 整備車両の納車・引取の段取り作成・指示
- 整備車両の納車・引取(顧客宅などへ取りに行く)
- 部品をセンターに取りに行く
- 工場の経理関係
- 売掛金の管理・集金(顧客宅などへ集金に行く)
- 繁忙期には軽整備や洗車など
10年も前なのでまだ忘れていることもあるかと思いますが、これだけのことを1人でやっていました。
え?これどうやってやるの??子供おんぶしてやるの???
事務所内にベビーサークルを置いておくと仮定して、事務所内で作業するものだけは出来るかもしれません。
でも事務所内で出来ることって意外と少なく、上記で言うならば『1、4、10』の3つのみです。
他の項目はすべて顧客を相手にしていたり、そもそも店舗にすら居ません。
顧客の車にチャイルドシートを載せて子供を乗せて納車に行けますか?
子供をおんぶしたまま軽整備や洗車が出来ますか?
出来ません。断固として出来ません。
仮に、企業側の義務として『子連れ出社を認めなくてはならない』となったとしましょう。
本来ならやれる業務を、子連れだから出来ません!となったら、その従業員を雇っている意味がありません。業務が回らないからです。
それなら、『子連れ出社しない従業員』を雇ったほうが良いですよね。
子供が泣いていたりしたら、お店中に従業員の子供の泣き声が響き渡ることになります。
車のディーラーに行ったことがある人は多いのではないでしょうか?
ガラス張りで、比較的静かで落ち着いた雰囲気の、あの店内。
足音も、話し声も結構響きます。
そこに、『姿は見えないのに、物凄い子供の泣き声が響き渡っている』んです。
そんなお店に、誰が来たいと思いますか?
従業員の子供の泣き声が響き渡るお店より、子供がいなくて静かなお店を選ぶと思います。
ちなみに、私が居た会社は『時短なんか使われたら仕事にならないよ』
『また熱なの?同居だったよね?義両親に任せておけばいいじゃない』
などと平気で本人に言う人が大半でした。
子連れ出社なんてした日には、本気で『子供連れてくるならもう明日から来なくていいよ』と言われるのが落ちです。
パターン2:生命保険の営業
続いて、某ディーラーを退職後に勤めた、いわゆる『生保レディ』についてです。
どこの生命保険会社でも、『子育て中でも働けるよ!サポートするよ!』という文句で営業職員を募集しています。
確かに、何度か子連れ出社をしたことはありました。
裏の話を暴露してしまうと…
例えば『子供が発熱して保育園に預けられない』とします。
そういう時は、朝夕だけ営業所に来れば、あとは「外回りをしていました」ということに出来ちゃいます。
子供を営業所まで連れてきて、出社登録をして朝礼に参加
→朝礼後に子供を連れて病院へ行き、帰宅して寝かしつけ
→夕礼の時間までに子供と一緒に営業所に戻り、夕礼に参加
→夕礼後は帰社登録をして子供と帰宅
ということが出来ます。
朝礼などの間は、応接室のソファで寝かせていました。
ですから、『保育園に預けられない時に子連れ出社』は可能であると言えます。
しかし、それも『アポ(顧客との約束)や活動予定が無い日だけ』だから成り立っていること。
ビラ配りの時には、車などで担当エリアまで行き、車を置いて徒歩でエリア内を回ります。
アポがある日には、顧客の会社や自宅を訪問し、数時間を過ごすこともあります。
その間、子供はどうするのでしょうか。
顧客の元まで同行させることは出来ませんから、車で待たせるしかありません。
顧客の自宅などを訪問する際だけ、同僚や上司に同行してもらって子供をみていてもらうことは可能です。
しかし、それも毎回というわけにはいきません。同僚や上司にも顧客がいるからです。
完全2人体制で同じ顧客を担当する、となれば可能かも知れません。
しかしその場合、今の倍以上の人員が必要になります。
保険業界は、万年人員不足です。
『昇給目標』という名のノルマが達成出来ずにクビ同然で強制退職になる人。
会社の都合に顧客を合わせさせることに嫌気がさして辞めていく人。
様々な理由で、毎月のように人が辞めていきます。
はっきり言って、『完全2人体制』は不可能です。
パターン3:CADでの設計
これは、事務所に通っていた頃の話です。
CADを始めた頃には、長男はもう幼稚園に通っていました。
しかし幼稚園というのは、たまにではありますが『振替休日』というものがあります。
納期がある仕事ですので、幼稚園の休園日と納期が被れば、子連れ出社をせざるを得ないこともありました。
事務所でPCに向かって仕事をしているだけですから、某ディーラーや生保レディの時のように『物理的に不可能』ということはありません。
しかし、子供というのはうるさいものです。
『ねぇママ何やってるの?』
『ママ見て!車描いたの!』
『ママ〜お腹空いた〜』
『ねぇねぇお菓子食べていい?』
『暇だからゲームやりたい!』
『ねぇママ〜』
『ねぇねぇ…』
というような感じです。
仕事になりません!!!
事務所には取引先と電話している人や、集中して作業をしている他の社員さんも居ます。
はっきり言って迷惑でしかありませんでした。
(みんな歓迎しているテイでしたが…)
在宅で1人でやっている今だって、次男氏を相手しながら仕事するのはかなり非効率で、保育園に預けられたら良いのに…と思います。
自宅であれば、ある程度自由にさせることも出来ますし、自分も息抜きをしたりできますが、事務所ではそうはいきません。
顧客の来店や外回りがないデスクワークですら、子連れ出社は騒がしくて非効率で、周りにも迷惑をかけるし、子供にも負担を強いることになります。
さぁ、ここまで3パターン。
在宅での状態も含めれば4パターンでの『子連れ出社』をお話しました。
さぁ、どれなら子連れ出社が現実的に可能だと思いますか?
答えは『どんな仕事も子連れ出社は非現実的』です。
働く母が求めるのは何なのか
これまで、政府は様々な『的外れ政策』を行ってきました。
『育休を最大3年にしましょう!』
違う、そうじゃない。
子供も仕事も大切で、早く復帰したい人だっているんです。
なのに、保育園には入れない、入れても保育放棄があったり事故が多発していたり、めちゃくちゃ高額だったり……
不安が尽きないのが嫌なんです。
みんながみんな「手当貰って休めてラッキー♪」と考えてると思ったら大間違いです。
『幼児教育無償化にしましょう!』
違う、そうじゃない。
お金がかかる云々の前に、入れないんです。
望む人全てが保育園に入れるのが理想なんです。
なのに、場所はない、保育士もいない、入れない。
これで無償化にされたところで、ライバルが増えて競争率が上がるだけなんですよ。
まず保育園増やしてくださいよ、先生増やしてくださいよ。
まずやるべき事を履き違えています。
そして『子連れ出社を後押ししましょう!』
だから、違うそうじゃない。
会社に子供を連れて行かなくちゃいけない状態が異常だとは思わないんですか?
私達保護者は、別に四六時中子供を連れ回したいわけじゃないんです。
安心できる場所で、安心できる人に、安心して子供を預けて、安心して働きたいんです。
そもそも、子連れ出社とかしたら、親はいつ『一人の人間として』の時間が取れるんですか?
私は、勤めに出ていたとき、働いている時間だけが『一人の人間として』人間らしくあれる時間でした。
そりゃ働いているから、好きな事を好きなように出来るわけではありません。
しかし、童謡やEテレじゃない音楽を耳にしたり、乳幼児相手じゃなく大人と知的な会話が出来たり、誰の介助もせずにご飯を食べたり、追いかけてくる小さな影を感じずにトイレに行けます。
『自分も文明社会の一員である』と実感できる、唯一の時間。
そこにまで『子育て』が入ってきたら…
政府はどこまで『子育て』のハードルを上げれば気が済むのでしょうか。
子供がいたら、働くことに喜びを感じてはいけないんですか?
子供がいたら、全てを犠牲にして子供に尽くさなきゃいけないんですか?
子供がいたら、親は自由を、人間らしさを求めてはいけないんですか?
『子連れ出社』というのが、『会社内に保育所を作成してそこに預ける』ということだとしても、問題はあります。
個人がやっているような小規模な所は、どうやって保育士を雇い、どうやって保育所の運営資金を賄うのでしょうか。
福利厚生として用意ができる大企業だったとしても、子供が病気になった時はどうするのでしょうか。病児保育まで作ってくれるんですか?
そもそも、全ての企業に保育所併設させる補助が出来るんですか?
まさか補助も何も無しに企業努力でやれとか考えてないですよね?
ただ純粋に、求められている『賃金アップ待遇アップによる保育士の増加』と『保育所自体の母数を増やす』ことをやった方が、手っ取り早くないですか?
いつになったら、日本はマトモに求められている通りの事をやってくれるんでしょうか。
mea.